心理の仕事を続ける理由

私自身も今また、何度目かの脚本と向き合う機会を得ている。

私は、親子でも夫婦でも、更には上司部下の関係であっても、真実の「友情」の芽生えがある時に、その関係は対等で無条件の愛情で結ばれるのではないか、と思っている。お互いが一人ずつの人間として並んで立つ時、その手を共に携えて生きていけるのではないか、そんな気がする。

生徒さんとの関係も、私は専門家としての情報を提供する役割を持ち、教える立場ではあっても、その関係は対等であり、私も皆さんの人生から学ぶことはとてつもなく大きい。同じ時間を共有し、思いを分かち合う時、私の中にある心持ちは、名付けるなら「友情」だ。共に育ち合う志が、この場を真実豊かなものに変える。

私は多くの善き友に恵まれている。その幸せを、改めて噛み締める。…ああ、迷いながら、悩みながらも、私がこの仕事をやめられないのは、その幸せを知っているからだ。