午前は交流分析アドバンス講座、午後はエンデの「モモ」に読む生き方講座、桜山喫茶ブルーツリーにて。
交流分析の自我状態PAC理論では説明しにくい発達心理学との関連が、二次構造分析で更に細かく見ていくと説明がつく。赤ちゃんだった私たちがどのように世界を理解し、どのように親や周りの大人のやり方を取り入れて、心を育てていくかがわかる。その一端を私はまた、この度の赤ちゃんとのお付き合いで目にすることができた。
交流分析を学ぶと、些細な子どもの仕草にどんな重要な意味があるのかがわかるようになる。子どもは不必要なことはしない。大人の都合でどうにかしようとすれば、健全な発達を阻むことがある。
私たちの中にある不可解な恐れや思い込みは、本当に私たち自身の持ち物だろうか?かつては親たちの持ち物だったのに、それを見て取り込んでしまっただけかも知れないし、幼い不完全な認知で、間違ったやり方を決め込んだだけかも知れない。
問題解決を阻む具合の悪い考え方や感情の多くは過去の産物だ。それが「今ここ」の正直な自分の有り様ではないかも知れないと思い返してみる必要がある。「今ここの現実ありのまま」を大人になった私たちの目で見直し、古いやり方を吟味し、必要があれば新しいものに交換する。交流分析では、主にそんなことを学ぶ。
「モモ」ではいよいよ、人から生命力を奪う時間泥棒「灰色の男」と、モモの対決の場面だ。知らず知らずに「効率」「成功」「消費こそ喜び」という考えに、伝染病のように毒されていく街の人々は、現代の私たちさながらだ。私たちの心に住み着く灰色の男たちと対決する方法は何か、物語を読み進めていくことで手に入れよう。
私たちがありのままであってはいけないと恐れるのは、見えない何かの刷り込みだ。その恐れに確たる根拠が果たしてあるのか?その点で、今日の二つの講座はリンクする。講座のおよそ半年間の後に、私たちはきっと新しい風景を目にすることだろう。
美沙落合
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