当スクールでアートセラピーを教えているのは、これまでも講座レポートや研究会で紹介してきました。
アートセラピーと聞くと、まず真っ先に
「そんなに上手に絵が描けない」
「ダンスなんてやったことないから無理」
と言う方が多いです。
それ、違うんです。
そもそも絵が描ける人、ダンスが踊れる人がアートセラピーを受ける、アートセラピストになると思っている方が多いんですが、全く違います。
スクールの校長、落合は絵がお世辞にも上手いとは言えません。
そして、「お前が言うな」とツッコミが入りそうなくらい、私も絵は苦手です。
一例として私の絵を見てみましょう。
そもそも、その動物の下顎どうなってんねん。
他にもいろいろツッコミどころは満載ですが、この画力が私の基本仕様です。
絵が上手く描けるかどうか、綺麗に踊れるかどうかなどの技術はアートセラピーには全く関係がありません。
なぜなら、アートセラピーに大事なことは「表現者」が何を思ってその作品を作ったのか、作っている過程での心の動きなどが大事だからです。
どんな気持ちがその作品を作ったのか、作品を見ながらお互いシェアリングすることで、どんな表現にもその人それぞれの「意味」があることが分かります。
そして、それぞれ独特の絵やダンス、造形作品などが「その人の一部をスナップしたもの」として、見ている私たちも愛着を感じます。
どのような作品にもその人の生き方や思いが表現されている、かけがえのないものなのです。
また、どんな作品も肯定的に受け入れられることで、表現者はその場を「自由に表現していい、安全な場だ」と感じます。
アートセラピーは、そのような安全な場でみんなに「認められた」という思いから、自己肯定感を育てていくことができます。
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井上 亜美
一般社団法人日本イーブンハート協会 理事
声楽家、JEHA認定アートセラピスト
主に子育て支援・交流の場を担当。
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